雨の樹を探しに

lplomdの日記

私はすぐ傍で見ていました

私はc71さんの友人です。

7月14日木曜日、私はかねてからの約束でこの日、c71さんとパートナーさんの家に泊りで遊びに行っていました。
c71さんはその日までに様々な被害に遭われていて、精神的にも厳しい状態であったにも関わらず、パートナーさんと二人だけでいると二人でふさぎ込んでしまい、私が来ることで風通しが良くなるから来てくださいと言っていただき、お言葉に甘えてお邪魔させていただくことにしました。
そして3人で外出し、食事を楽しもうとしていたところに私たちの仲間内から、ツイッターのDMを受け取り、その仲間から、性暴力の被害に遭った女性がいて、その女性に協力してほしいという、応援要請を受けました。

 

c71さんは家に帰った後、事情を詳しく聴いた後で作戦を立て、ご自身のブログで「菅野完noiehoieの性暴力」という記事を書き上げました。
私はc71さんがこのエントリーを書いていた時すぐそばにいて、私自身この記事の拡散に協力しました。結果としてこのことが大きなトラブルとなってしまったのですが、今回のこのトラブルを、ネット上でのみ見ていただけではなく、実際にc71さんのそばにいて見ていたものとして、私の視点で私の感じていたことをここに書いていきたいと思います。
 
 
 ことの経緯は他の仲間のブログ記事などで詳しく書かれているので、ここでは簡単に説明します。
被害者の女性からの依頼は、
「自分は菅野完という男から性暴力を受け、菅野完を訴えて裁判を起こしている。
 そのことを週刊金曜日という雑誌に、記事として取り上げてもらった。
 この雑誌の発売は翌日だが、記事のスクリーンショットを送るので、ブログやツイッターなどで、広く拡散してほしい。」
というものでした。
c71さんは、ご自身も性暴力に何度も遭われています。つい最近も性暴力に遭われたばかりで、そのことはご自身のブログでも記事にされてました。彼女のブログは人気があり、アクセス数はかなりあります。
まだ自分の心の傷も癒えていない状態でありながら、同じように性暴力に遭って苦しみ、助けを求めてきたこの女性の力になろうと、c71さんはすぐにご自身のブログで記事にして拡散することを約束し、どうすれば一番効率よく拡散できるかの作戦を立てて協力者に説明しました。
c71さんはとにかく、性暴力に遭われた女性の気持ちに寄り添うことを第一に考えていました。
仲間の協力者から、今回この週刊金曜日の記事を拡散する結果、何を着地点とすればいいのか?という疑問の声が上がった時、c71さんは、きっぱりとこう言いました。
 
「着地点は被害者にしか決められない。そして被害を受けて苦しんでいる人に、無理に着地点を求めるのは酷なこと、今は被害者が求めていることに、周りは全力を尽くすべきだ」
 
そこでとにかく、c71さんが週刊金曜日スクリーンショットを張り付けたブログ記事を書き、それを広く拡散することを目的に、いくつかの目標を立てました。
1、ブログアクセス数5万目標
2、はてなブログホットエントリー入り
3、ヤフーニュースにまで取りあげてもらえれば最高
この目標を念頭にc71さんは記事を書き始めました。彼女は文章を得意としているので、ブログ記事を書くのも異常といえるくらい早く、通常なら15分くらいで1つの記事を書き上げるそうです。
ところがこの時は、被害者女性の性暴力の記事を書いているうちに、c71さんご自身の性暴力を受けた体験がフラッシュバックしてしまう苦しみと、
被害者女性が、自分が週刊金曜日の記事を提供したことなど、自分のことは伏せて記事を書いてほしいと願い出ていたため、
c71さんが勝手に発売前の週刊金曜日の記事を、自分のブログに載せて書いていると勘違いされるような、様々なリスクを考慮した上で記事を書かなければならなくなり、
とても苦しみながら、少し長い時間をかけて記事を書いていました。
 
被害者女性とは、ツイッターのDMチャットでやり取りをしていました。
その時にチャットを通じて集まっていたのは、まずc71さんの家に、私とc71さんと、そのパートナーさんの三人が居て、チャットを通じて私たちの仲間二人の、合計5人がc71さんの側の集まりとして。
そして被害者女性とその友人三人、あわせて四人が被害者女性の側の集まりとして、チャットに参加する形で、協力体制が組まれていました。
 
 午後三時頃、c71さんがブログに記事をアップして、ネット上での拡散がスタート。
c71さん以外の人はそれぞれのタイミングで、ツイッターに上げたり、ブクマをしたりして、c71さんのブログ記事を拡散していきます。
c71さんは時間を追うごとに、今の時間はこのような読者に読まれている。この時間帯はあまりいい読者ではないため、悪口のツイートが増えるなど、リアルタイムに説明してゆき、そして説明した通りになりました。
ブログのアクセス数もうなぎ上りに上がってゆき、早い時点で記事はホットエントリー入り。この時点では、c71さんは、被害者女性側からも友人側からも、完全に称賛されていました。
 
夜の12時となり、最終のブログアクセス数は4万8千。5万には届かず、ヤフーニュースには取り上げてもらえなかったものの、とても大きな成果だったと、今回の協力者のほとんどが、有頂天になっていました。
c71さんを除いて。
 
c71さんは最後は、かなり憔悴しきっていました。
自分でブログの5万アクセスを目標にしながら、それに達さなかったことをすごく気に病み、明日はどのような作戦でいこうか、どのような記事を書こうかと、周りのみんなが浮かれている中でも、一人で考え込んでいました。
そんな一人で落ち込んでいるc71さんを励まそうと、被害者女性やその友人たちは、浮かれた気持ちのままc71さんにチャットで話しかけてきました。c71さんにとっては、ブログ記事の責任を一人で背負ったことの重圧もあり、周りが浮かれているのがとてもいやだったそうです。
 
その会話の中で、c71さんが、私は自分の自己評価が低いんだという話をした時、被害者女性の友人の一人が、c71さんは、「自己評価が低いからこそ、あんないい文章が書けるのではないか」と言ってきました。
そして被害者女性もとても浮かれていて、それに合わせて、「自己評価が低いから、マイノリティーの気持ちに憑依できる」といいました。
 
この二人の発言は、憔悴しているc71さんを、さらに落ち込ませました。
 
自分が自己評価が低いことでとても苦しんでいるのに、その苦しみを理解しようとせず、この二人からは、「その通り、あなたは自己評価の低い人だ」と言われてしまった。
 
自分は被害者女性の気持ちに寄り添って、今日、ここまで大変な労力と重圧に耐えてきたのに、被害者女性はc71さんの気持ちに寄り添ってはくれないのか。
 
完全に裏切られた気持ちとなったc71さんは、もういやだといって、チャットから外れました。
 
お祭りムードだったチャットの集まりは、一気に気持ちが冷めて、被害者女性は何度か謝罪の言葉を繰り返したものの、c71さんはもうとりあおうとせず、この日のチャットの集まりは、そのまま終わりとなりました。
 
 
 
自分の失態として告白しておかなければならないのは、最後の時点でc71さん以外のみんなが盛り上がっていた時、私も一緒に浮かれていたということです。
なので被害者女性側の失言があり、c71さんが怒りだしたときも、この失言はc71さんの機嫌をとろうしてつい口走ってしまった。言葉のあやのようなものではないかと思ってしまっていました。
なので、チャットが終わった後、せっかくこれだけの成果を出して被害者女性のためにもなったんだし、何とか関係を修復することができるのではないかと、浅はかな私はc71さんの説得を始めました。
パートナーさんも私と同じように考えているのではないかと思い、話を聞いてみたのですが、パートナーさんは「あの発言で、被害者女性側の人達が、どのような考え方をしているのか、分かってしまった」と、c71さんと一緒にうなだれていました。
 
それ以上話しても、話が前に進みそうもなかったので、さすがに今日は疲れているので、もう寝て、明日考えましょうと、寝ることになりました。
三人とも布団に入ってから、今回この被害者女性を助けてほしいと要請してきた仲間からチャットが入り、c71さんに謝罪していました。
私たち三人はみんな布団の中にいて、私はスマホC71さんと仲間の長いやり取りを眺めて、そのまま眠りにつきました。
 
 
今考えるとこの時の自分は本当に浅はかで、c71さんとパートナーさんは、あの失言から、被害者女性とその友人たちの心を、正確に見抜いていたのだと思います。
翌日になれば何とか関係回復も可能ではないかと考えていた私は、翌日の出来事で、私の考えは全く間違いだったのだと思い知らされたのです。
 
次の記事に続きます。


 

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